第5章 光は闇に消える

私は銀時の胸の中で、静かに泣いた。

銀時は私の頭を撫でていたが、やがて私を引きはがした。

「……銀時…？」
「はーあ……。」

何か悪いことでもしたのだろうか。

少し自分に自信がなくなる。

「………あのなあ、緑。」

銀時は私の顔を見て話し出した。

「……なに……？」
「女はよー、泣き顔見られてなんぼだぜ？」

ああ、なんだ、そんなこと。

「女だって温もりを感じたい時くらいあるわよ。」

すると銀時は、手を出して私の涙をぬぐう。

「こうしたら暖かいじゃん。」
「っ…！ばか、また泣いちゃうじゃないっ……！
「泣かないとか、可愛くないから泣け。」

いや、もうすでに涙がとまらない。

銀時にこんなことをされると、妙な安心感がある。

こうされるだけで幸せとか、そんなかんじの。

銀時は私が泣き止むまで、ずっと私の涙をぬぐってくれた。



「………立てるか？」

やっとのことで泣き止んだ私に手を差し延べてきた。

「………ごめん。腰が抜けて、歩けないや……。」

そうでも言うだろうと思っていたように、銀時は私を持ち上げた。

「……。」
「ほら、こうしたら歩けるだろ。」

普通に歩ける。

銀時はここらへんはものすごく優しい。

そして、総悟が戦っているところまできた。

「………総悟。」

私は総悟を見ていた。

総悟は強い。

速いし、力ももちろんある。

あんなに若いのに、隊長をしているだけのことはある。

私はふと、総悟の後ろを見つめた。

すると、何かが浮かび出してきた。

壁の中から、それはだんだんと変化していく。

そして一つの蛇となった。