第5章 光は闇に消える
「…旦那。」
沖田が俺のほうへやってくる。
どうやらずっと見ていたらしい。
「姉さんを…斬ったんですかい?」
「いや、あれは緑じゃねえよ。」
はい?みたいな顔をしている。
「どうしてですかい?」
「さあな、なんとなく、だ。」
さて、緑は…。
そういや、この倉庫こんなに狭かったか?
天井が高いぶん、広く感じるが、きっとこんなに狭いはずがない。
俺はあたりを見回した。
入口、それに外見と同じ壁が二枚。ということは…。
俺は一番奥の壁に向かってつっぱしった。
「だ、旦那!?そっちは行き止まりですぜい?!」
沖田はそこが『ドア』だとは思っちゃあいない。
「ああん?!入口かもしれねえじゃねえか!!」
そういって、俺は木刀を取り出す。
そして、人が通れるくらいに縦に切り裂いた。
鉄の壁を木で斬るもんだから、木刀は折れちまったが。
やはりその先には空間があった。
そしてその先をみると…。
緑が見知らぬ男に、犯されかけていた。
~緑SIDE~
あの男が外に出て、帰ってきた。
私は顔もあわせずに、ただ壁をみつめていた。
――――この先には出口が――――
でたくてもでれない、今はそういう状況だ。
だから、どうにか隙をつくらなくてはならない。
すると、何かの大きい音がした。
「!??」
私は壁を見る。
すると、男はにやにや笑いながら、「始まりましたね。」と言った。
「…何が始まったのよ。」
「あれですよ、あなたのクローンと大切な方達との戦いですよ。」
「っ!!」
やはりきてしまったのか。
でも、もし銀時なら私を倒せるかもしれない。
私じゃないと気づいてくれるのならば。
「楽しくなってきましたねえ?」
そして、私のほうへまわりこんできた。