【WIND BREAKER】愛なんて知らなかった(R18)
第8章 ※歪み
どんな意味でもいい。
この温もりに包んでもらえるなら…
その日は久しぶりに朝まで夢を見なかった。
痣のことを皆に話せた。
条君とのことを梅君に話せた。
隠すことは何もなくなった。
梅君への気持ちも
もう言う必要はない…
だって無条件に守ってもらえるから。
そう、仲間として…
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2週間後
「沙良ちゃん、ここわからなくて。」
『うん。ここはね…』
久しぶりの日常が戻ってきた。
条くんとはあれきり、会っていない。
ポトスでの勉強会は変わらず開催され、今日も集まったメンバーにわかりやすく教えられる方法を試行錯誤する。
皆は私の秘密を知ってから、益々優しくしてくれるようになった。
この2週間に、何人かに思いも告げられた。
「沙良ちゃんを守りたい。」
「君の側にいたい。」
ありがたい言葉だけれど、私は、私自身が強くなりたい。
誰かに守ってもらおうと考えていたら、また条君との時のように、離れていこうとする相手に戸惑い、淋しくなってしまうだろう…
「沙良ちゃん…?大丈夫?考え事?」
高梨君が心配そうに覗き込んできた。
『あ、ううん…ごめんね。』
ポトスでの日常は幸せだ。
ずっと望んでいた毎日…
なら、この胸につかえたこの感情を何と呼ぶのだろう。
「沙良ちゃん、お疲れ様。ちょっと休憩しない?」
『ことはちゃん…』
甘いのでいい?と、ことはちゃんは丁寧にミルクティーを淹れてくれた。
ポットから可愛らしいティーカップにお茶が注がれる様子を、ボーっとしながら眺める。
「沙良ちゃん…梅と何かあった?」
『ぇっ…?…何で?』
突然の言葉にドキリとした。
何か…何かなら、あったと言えるのかもしれない。
「梅ね、今まで毎日のように色んなこと話してくれてたの。風鈴メンバーのこと、街のこと、施設のこと…」
どうぞ、と出してくれたミルクティーがカチャリと音をたて、カウンターテーブルに置かれた。