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蜜✖️蜜ラバー 〜お嬢様は、溺愛調教中!!〜

第2章 交際宣言致します




『なんとかする』


とか。
言ってはみたものの。
現在地域の夏祭り開催期間にて桜組も総動員して駆り出されているわけで。
2週間前に晴れて恋人同士になったはずの加賀谷は目の前で焼きそば作るのに夢中になっている現実。
せっかく浴衣来てオシャレしてきたのに。
しかも。
加賀谷と三園が屋台担当してるこの時間、やたらと長い行列出来てるし。
仕方ない。
ため息ひとつ、踵を返せば。


「お嬢」



すかさず後をついてくる人物。



「…………優吾」
「加賀谷さんがお嬢についてけって」



「…………」


いやいやここでむくれていても仕方ない。
みんな知らないわけだし。
だいたい、加賀谷の口から交際宣言なんて出来るはずもなく。
あたしがまずは両親に話すのが道理なわけで。

なのにこんなときにあいつらいねぇし!!

…………まぁ本音とタテマエってやつ。
れっきとした大人なので。
弁えてますけど。



「お嬢?」


コホンと咳払いひとつ。


「ひとりでまわりたい気分なの。駄目?」
「無理っスね」
「…………ですね、すみません」



ほんとにもう。
なんでうちの人たちってばこう…………。
違う違う。
大事にされてる証拠なんだってば。




「とりあえず焼きそばならさっきゲットして来ました」


白いレジ袋を見せながらにかって笑う優吾につられて笑って。
歩き出す。
わかってる。
加賀谷はこの状況なんにも出来ない。
動かなきゃいけないのはむしろあたし。
なのに。
なんだんだ理由つけて後回しにしてるのもあたし。
でも。
結局後回しにしたツケを払うのは、あたしじゃない。


加賀谷なのに。



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