第36章 28
予告日当日
「よし!救急箱の補充もしたし!こっちはばっちりだよ!快斗!」
「オメェなぁ。なんでやられる前提なんだよ」
はぁぁ。とため息と共にインカム越しで言われる
「だぁって。あの蘭ちゃんより強いんだよ?すばしっこいから逃げられるとしても怪我はしそう……念には念をね?」
(心配してるんだから!)と言うと
「わぁーってるよ!んじゃ鈴木園子のマスク、ありがたく使わせてもらうぜ!」
数時間後
快斗宅
カラカラカラ
「お帰り!快斗!怪我ない?」
帰ってきた快斗の顔に手を伸ばしてそう言うと、フッ。と笑う快斗
「ああ!おかげさまで、な?…それにしても、京極真。中々にスリリングな相手だったぜ」
若干キッドが抜けてないのかネクタイを引っ張りながらそう言って隠し部屋に入っていくのでその後に続く
「…もうあんまり会いたくないね。快斗が怪我しそうで怖いよ」
脱いだキッド衣装をしまいながら言うと頭にポンと手を乗せる
「ほんとなぁ。できればもう会いたくねーな…今回はあの名探偵もいたし」
終わった後だからだろうか。なんだかとっても楽しそう
「快斗ー?また楽しんでるでしょ」
「あぁ?……まぁな♪強大な敵がいるほど、ショーを成功させたらそれは観客を更に魅了するから、な?」
ニカッと笑う快斗は小さい頃初めて私にマジシャンになりたいんだと言った時の幼い快斗に重なって
なんだか眩しく感じた
それと同時に愛おしい気持ちが増幅して
思わず思い切り抱きついてしまう
「おわっ?!…どうした?」
「んーん。なんでもなーい」
フフッ。と笑って見上げると目を細めてる快斗
「んなことすっと。キスすんぞ」
「いーよ?……いっぱいして?」
「んなっ?!、、こんやろー/////」
赤くなりながらちょっとムッとなる快斗からキスの雨が降り注ぐ
最近前世の記憶が薄まりつつある
というか
もうほぼない
きっとこの世界に馴染む?
それとも
完全にこの世界の人になっている
そんな気がして
快斗の助けになれてるからわからないけど
今私が出来ることをやろう
快斗との未来のために
fin28