第30章 24
暫くしてキッドの速報を見て安堵していると
コンコン
「ゆりー?ちょっといい?千影さんが来てて」
ママの声がして慌てて玄関まで行くとまた何やら大荷物を抱えている
「ごめんねー?またベガスに戻らなくちゃいけなくて」
「えっ!!千影ママもう行っちゃうの?!」
「そうなのよ〜。だ、か、ら♪未来の娘に挨拶しとこうと思って」
そう言ってウインクする千影ママにまた少し赤くなる
「ほーんとかわいっ。連れていっちゃいたい!でも、快斗に言われてるから〜」
「え?何をですか?」
フフフッ。と笑い(快斗には内緒ね?)と言われた
「ゆりちゃんを送り届けたあの後、快斗ったらすごい怒っちゃって。[俺のゆりに変なこと吹き込むな!あいつは遠慮して考えちまうとこあるから!俺がゆりを手に入れるのにどんだけ時間かかったと思ってるんだ!!]ってね?」
火が上がりそうなほど全身が赤くなってる気がして顔を両手でパタパタする
「でも〜?例の仕事に信念持ってやってるみたいだし?本当はやめさせようと思ってたんだけど。ゆりちゃんがいれば安心ね!」
「え?」
「だーってゆりちゃんと付き合う前の快斗は無鉄砲のお調子者だったけど。今はちゃんと未来を見据えて慎重に考えるっていう事できてきてるじゃない?ゆりちゃんとの未来をね?」
「………わたし、今日ワガママ言っちゃいました。離れたくないって」
「そーんなの!快斗にとったら嬉しい以外には感情ないわよ!!あー!良かったわぁ!快斗の片想いではなくて」
そう言った後私の両肩を優しく撫でる千影ママ
「ゆりちゃん?くれぐれも快斗をよろしくね?よく道を外れそうになる子だから。ゆりちゃんが居ないとほんっと男らしくないからっ!!」
そう強く言う千影ママに思わず笑ってしまう
「フフッ。わかりました♪千影ママ?またテレビ電話してくださいね?私好きなんです。千影ママと盗一パパの話」
そう言うとパァァと顔が明るくなる千影ママ
「もちろんよ!!時間が出来たら2人で遊びに来てね!待ってるわ!」
そう言って千影ママは颯爽とラスベガスへ戻って行った
fin24