第20章 17
カラカラカラ
雨の降る夜
ベランダからそっと侵入してこようとしてる快斗を見て予め用意していたバスタオルごと抱きついた
「わっ?!なんだよ起きてたのか」
「おかえり」
質問には返事せずわしゃわしゃと髪を拭いていつからか置いてある快斗の部屋着を渡す
「シャワー浴びる?」
「いや、今日は帰るよ、、ちょっと顔見に寄っただけ」
(じゃあな)と後ろを向いてちょっと考えた様にする快斗
「どうしたの?」
「んー。いや、、なんつーかさ。やっぱりあいつ良からぬ者ではなさそーだなって………あー。あと。こいつ。今日は預かっといてくれよ。ゆりに会いたがってたぜ」
そう言ってぽんっと鳩を一羽だす。
その鳩は快斗の肩から私の手のひらに乗り既におやすみモードだ
「怪我治って良かった」
「おやすみ」
鳩から視線を外して快斗がいた方を見る
思った通り既に快斗はいなくて
窓を静かに閉めてベッドの枕元に鳩を乗せ自分も横になると寄り添う様に眠り始めた
そして眠りこける前にハタと思い出す
快斗
もしかして抱きたかった?
何となくそう思って電話をかけると「あんだよ」っとちょっと不機嫌そう
「ねぇ快斗、、もしかして……したかった?////」
「う////」
そうやって口籠るのはyesという事で
「別に良かったのに」
ふふッと笑いなが言う
「はぁ、、、今日はマズいんだよ//」
「なんで?」
「いや、、、その////……壊しちまいそーだから///」
そう言われて一気に赤くなるのがわかった
一体この男の体力はいつ尽きるのだろうか
「我慢してくれてありがとう///」
「そ、それはどーも//」
「でも早く会いたくなっちゃったから明日朝起こしに行ってもいーい?」
「お、まえなぁ!///……ったくよー。こっちの身になれっての」
なんかよくわからないけどちょっと怒る快斗
「えー。いっちゃダメ?」
「///////……好きにしろよ//」
「フフッじゃあ切るね?おやすみ快斗」
快斗の返事を待って電話を切った
明日朝起こしに行って暫く離してもらえなくなることも知らずにすやすやと安心しきって眠りこける私がいた
fin世紀末編