第12章 mumu/募る寂しさ

｢｣


ポンポンと頭に優しい感覚が。見上げると、三井先輩が切ない顔をしながら、立っていた。


｢泣きたいなら、泣け。……んな辛そうな顔して、我慢すんな｣


その言葉に、溜まっていた寂しさが溢れ出して止まらない。泣いても現状が変わるわけじゃない。だから、だから……ずっと、我慢してた。


｢………アイツ……何の連絡もしてこないし……。そういう奴だって分かってるけど……｣

｢……寂しいよな。……でも、流川は性格はひねくれてっけど、芯がある奴だ。もう少しだけ、待ってやれ。時期が来れば、すぐ連絡してくるから｣

｢……うん｣

｢……それでも待てねぇなら……｣


間を空けた三井先輩を見ると、今までに見たことがないほど、優しい笑みを私に向けた。


｢俺のになるか？｣


予想外の言葉と笑顔のせいで、胸がトクン……と音を鳴らした。三井先輩にときめくなんて……。本当、寂しさでおかしくなっちゃったみたい。


｢……何だよ、その目！　人が恥ずかしいセリフ、言ったってのに！｣

｢だからですよ。……あーぁ、流川に会いたいなぁ｣

｢……やっと、本心言ったな。……ほらよ｣