第2章 第一章
「お前は失敗作だ、本当に我が娘ながらありえない」
何度も言われてきた言葉に、うんざりする。
一番の失敗はお前だろうと心の中で悪態をつきながらも、それを表に出した後の面倒さを考え、必死に押さえつける。
「……行ってきます、パパ」
反吐が出そうになりながらも、平静を装って家を出る。
一分たりとも同じ空気を吸いたくない……そんな一心で真っすぐいつも行っている図書館へと足を運ぶ。
うるさくないし、何より大好きな読書ができる夢のような空間だ。
どうせ夕方くらいから、あいつは家を出てそこらへんで飲んで帰ってくるだろうし、その頃合いを見計らって家に帰れば遭遇することもないだろう。
「……いつまでこんな生活続けないといけないんだろう」
私なら、”処理”できるけどそうすると事情を説明するのが面倒になる。
自分に関係のない存在ならばまだしも、肉親となれば違和感を抱かれて当然だ。
嗚呼、どうして私はあんなクズの娘なんだろう。