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【ブラクロ】空っぽの先

第2章 魔導書


私はその後ひとまず自宅に帰ることにした。
村外れの小さな一軒家の戸を開ける。木造のボロ屋だが、鍵は私が作ったので防犯対策はしっかりしている。……まあ盗まれるような価値あるものが家の中にあるかと言われると微妙ではあるが。ちなみに雨風も私の創造魔法でどうにか穴を塞いでやり過ごしているといった状態で、これがなければとっくに家の中は水浸しに違いない。
家具もだいたいボロボロではあったものの、食器類に関しては幸い魔法で作りだすことが出来たので常に清潔な状態を保っていた。

ちなみに父は近くの街まで出稼ぎに出ていてあまり帰っては来ない。母の亡き後、今更私とどう関わっていいのか分からないのだと思う。良い親とは言えないが、娘が食うに困らない程度には働くということをしていてくれた。

「よし、では早速!」

今日も父が居ないのを良いことにいくつかの実験を行った。
その結果自分の創造魔法についてわかったことが幾つかある。

ひとつはやはりどんなに頑張っても大きいものは今のところ作れず、手で持てるくらいの範囲に限られること。死ぬ気で魔力を放出してみたらノートパソコンくらいのサイズまで作ることが出来たが、ネットが開通していないので意味なし。
もうひとつは構造が複雑なものであるほど持続時間が短いということだ。普段よく作っていたお皿や鍋などの単純な構造のものは半年くらいもっていたが、試しに作ってみたゲーム機は10分しないくらいで溶けて消えた。
ちなみにこれは以前から知っていたことだが食料や飲料は生み出せない。薬品は素材があれば可能だ。

「うん。今までお皿作るくらいにしか役に立たない魔法だと思ってたけど、前世では小さくても役に立つものがたくさんあったしこれからはかなり使えるかも」

魔法騎士の試験が何をするものなのか分からないが、瞬間的な火力でいいならかなり有用な武器を作ることができそうだ。
例えば拳銃とか………。

「ーーっ!」

拳銃について考えようとした途端、頭に白いモヤがかかる。同時に強い拒絶の感情が生まれた。どうしてもそれだけは触りたくない、そんな気がして。

「前世……」

当然だが、前世というからにはOLであった私は死んだのだ。
……では、その死因は?

「嫌、嫌……怖いッ!」
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