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現代版おとぎ話

第8章 ブレーメンの音楽隊〜それぞれの過去と向き合った今


この日はレコーディングの日。メンバーで話し合って自主レーベルを立ち上げてシングルから売り出すことになった。

「それじゃあ、レコーディング始まります。」
歌はリーさんが歌い、その他のメンバーで楽器演奏を行う。

レコーディングが終わったのは夕方だった。
「お疲れ様です。」
この日はメンバーのみんなと食べに行くことになり、近くのファミレスに入った。

メニューを決めて話に入る。たわいない話をして行く中でふと、メンバーの過去の話が気になった。
「あの、前から思ってたんですけど・・・皆さんのことをもっとよく知りたいので教えて頂けませんか?過去の話とかー?」
僕がそう聞くと皆んなは下を向いてしまった。何かまずいことでも聴いてしまったのだろうか?

「・・・・。」
沈黙の時が流れて気まずい雰囲気になってしまった。
「そのことはまた今度話すわ。」
リーさんにそう言われたけれど、はぐらかされた気がして心がモヤモヤしてしまった。何か言いたくない理由でもあるのだろう。

例えば過去に悲しみを追って思い出したくないとか?そりゃ、他人に話したくないことだって誰にだってあるし仕方ないのだけれど・・・やっぱり聞くのがまずかったのかな?僕はそう思うことにしてドリンクバーに歩いて行った。
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