第3章 12歳年下の彼
彼と…恋人になって…、
恋人扱いされて…
大事にされればされてしまう程に…、
虚しくなってしまう。
『帰りましょうか…?』
まだ…飲んでいたジョッキの
ビールはお互いに…
飲み残したままだったけど。
そう…港斗がこちらに声を掛けて来て。
その港斗の言葉に巴は頷いた。
彼の住んでいるアパートからも、
あのスポーツジムは徒歩圏内で。
さっき…
一緒に飲んでいた居酒屋からは…。
港斗さんのアパートは…
徒歩10分程の距離だ。
ガチャ…と、港斗が自分の部屋の
鍵を開けると、
ドアを自分の手で押さえて。
『巴さん…、どうぞ…入って』
「はい…、お邪魔します…」
彼の住んでいるアパートに来るのは…
今日が2回目だった。
彼が遅れて中に入って来ると、
玄関の鍵をかけて、
ドアチェーンを掛ける。
そのまま…玄関を入ったすぐの場所で
ギュウウッ…と港斗に
身体を抱きしめられてしまって。
『巴さん…ッ』
その抱き締められた勢いのまま、
唇を彼の唇に塞がれてしまった。
「んんっ…んんっ…ま…待って…ッ」
その手が巴の
太ももを弄って来るから
思わずそう…声を掛けてしまった。
『……待っては…無しで…』
「でも…ッ、
シャワー…浴びてない…ッ」
『じゃあ…このまま…一緒に…
シャワー、浴びましょうか…?』
そう言うと
また…キスをされてしまって。
そのまま身体を押されて、
キスをして、抱きしめられながら
彼の身体に押されて
部屋の中を移動して行く。