第10章 アリスの家へ
「わぁ……」
思わず声を漏らす。私がやって来たのは、立派な門を構えていて、奥には豪邸がそびえ立つところだ。
これから私が会う約束をしている人物は「アリス」という女性だった。
門の前にあるチャイムを鳴らすと男性らしき声が応じ、アリスさんと会う約束をしていますと答えると、人手もいないのに門が勝手に開いた。
金持ちの人ってこういうことをするんだなぁと私が綺麗な小道へ足を踏み込むと、豪邸の玄関が大きく開いてそこから女性が駆けつけてきた。
「こんにちは! 待ってました、ハナさん!」
この人がアリスだ。初対面なのになぜかそう思った。
「こんにちは、ハナです」
私たちはそうして自己紹介をし合うのもそこそこに、次には手乗りMOBたちの話に移った。
「その子たちが例の?」
「はい。ハロウィンMOBらしいです」
ハロウィンはもう過ぎて十二月になっちゃったけどね。
「へぇ、こんにちは!」
アリスさんはMOBたちに早速話し掛けた。