第7章 五条悟③※

直哉が優しく腰に手を回してエスコートする姿を愛おしく見ていた。




ホテルから出て、目の前にあの五条悟が居た時には、ななの顔もまた、直哉と同じ様に顰めた顔をしていたと思う。




「…時間稼ぎありがとう。」

ななに向かって悟は笑って言った。




不可解な悟の言葉にななは更に顔を顰めた。




「何なん？悟くん。
ななにはもう関わらんといてや。」




直哉は心底嫌そうな顔で悟に言った。

グッとななの体を自分に抱き寄せて悟に見せつけた。




その時に確かに悟の顔が歪んで2人を見た。




「ななは東京校に通うのが決まったよ。」

「は？」




悟の言葉に直哉の顔が歪んだ。




「直毘人さんが即決で決めてくれたよ。

流石当主だよねぇ。
判断力の過大さに賞賛するよ。」




悟がパチパチと喜ばしい様に手を叩いた。

明らかに直哉を煽る行動に、直哉の眉間に青筋が立った。