【ONEPIECE】ハートに副船長(仮)がいるってよ。
第2章 正体
「人の売り買いなんて、世界中で"禁止(タブー)"よ!!政府にいくら払ってんの?」
ナミが裏の人たちに聞き取りを始めていた。…返答は、予想通り。
「無駄にここで話し合いをしたところで、時間が過ぎていくだけ。それに、ここを爆破とかしたところで、首輪をつけられているのならば、それが爆破されちゃ、助けるどころの話じゃない。………表にいる"天竜人"の奴隷みたいに」
「手が出せないんなら!!ここのルールで、ケイミーを取り戻してやるわ!!!」
理解が早いナミ。表の門へとみんなで移動する中、ボクは巨人の前へと立った。
「名前は」
その言葉に、反応はしない。…そりゃ、"天竜人"の奴隷だ。勝手にやれば、自分の首が吹き飛ぶかもしれない。まぁ、見たことある顔ではある。
「ちょっとだけ、首のやつ。見せてね」
構造からして、簡単に外せるものでもなさそうだ。
「大丈夫、もう少し待ってて」
皆の後を追うように入っていくと、これまた"南の島"出身の海賊。ユースタス・キッドとキラー、その一味がいた。こりゃ、シャボンディに集まっている海賊の懸賞金が過去一大きいんだろうな、こりゃ。
彼らもこちらに気付いたかと思えば、手配書を目の前で見始めた。
少しすると、さっき目にした"天竜人"が来店した。奴隷はまた売られるらしい。そんなのはどうでもいいけど、正直なところ、怪我を治療させてほしい。ボクの願いはそれだけだ。
………そういう意味では、ここの空間はものすごく嫌いであり、色々な感情が渦巻いって気持ち悪い。
そう悶々と考えていれば、本当に吐き気がしてきて、俯いてしゃがんでしまう。"病は気から"とはよく言う。致し方ない、もう慣れだ。ここまできたら。
………壊してほしい、この店ごと。
………皆、平等の命なのに。
………一つしかない、命なんだよ。