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愛が禁じられた世界で[dzl]

第5章 ドラゴン


「いやぁ、今日も大盛り上がりでしたね!」
 宿屋に戻ってくるなり、興奮冷めやまぬ様子でドズルが言った。
「けどさぁ、MEN騙したよな?」と言ったのはぼんだ。「みんな長袖の服着てたじゃん! 露出高い女の子いなかったよ!」
 するとMENは、なんてこともないというふうにケラケラ笑った。
「当たり前じゃないですか。夜の砂漠はめちゃくちゃ寒いんですから」
 知っていていたのに黙っていたと、MENは意地悪そうにニヤリとする。ぼんは文句ばかり吐いた。
「そんなの言わなかったじゃん〜」
「え、ぼんさん、もしかして女の子目的だったんです?」
 そこにドズルが口を挟めば、いやいや、世界のためですからと慌てて繕うぼん。大嘘をついているということは誰が見ても分かっただろう。
「けど、こんなんいつまで続けるんやろ」
 ぽつんと空気を変えたのは、おらふくんの言葉だった。それは何事に対しても素直なおらふくんらしい言葉ではあったが、四人の動きすら一瞬にして止めた強いものであった。おらふくんの手だけが、ネコおじの頭を撫でている。
「一つ、気になる話を聞いたんですが」そこにおんりーが空気を切り裂くように言った。「この世界には本当に、愛が原因で病気にかかる人がいるみたいなんです」
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