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🍆だけが襲われる世界で

第19章 水に隠した秘め事


「ああ……」
 俺はゲーム内にいるスケルトンのことを思い出した。確かスケルトンも泳げずに沈んでしまう仕様だったなと思い、じゃあ別のところから下りようかと井戸のそばの地面に穴を掘った。
「僕が掘る!」
 なんでも自分でやりたがるスケルタは向上心が高い。将来いいお嫁さんにでもなるんだろうなと思った。唯一欠点を言うのなら見た目を気にしないところだ。たった今自分で掘った土を自分に掛けてしまったのだから。
「何してるのよ、スケルタ」
「えへへ〜」
 結局、穴掘り作業は俺も一緒にやることにした。直下掘りは危険なので足元に水を敷いたまま四マス掘りだ。時間はかかるだろうが、ここまで来て死にたくはないのでゆっくりやって行こうと思ってのことだった。ちなみに足元の水だけなら平気らしい。
 そうしてしばらく歩いていると足元のブロックのデザインが唐突に変わる。スケルタは気にせずどんどん掘り続け、俺が石レンガを見つけた直後にはふわっと足元の感覚がなくなり、そのまま水に流された。
 慌てたスケルタは案の定目も開けずに水かきをした。俺は水の勢いでどこかに行ったサングラスも気にせずにスケルタを抱えてなんとか息の出来るところへ。
 明るい方へと泳ぎながら、スケルタを横に俺は水から上がった。だが、スケルタからの反応がない。
「ちょっとしっかりしなさいよ、スケルタ?」
 と声を掛けながら、昔どこかで学んだ方法で肺から水を出してやる。かなり水を飲んでしまったらしい。
 俺は楽な姿勢をさせようとスケルタを横に向けたあと、スケルタが息をしていないことに気がついてさっと血の気が失せた。
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