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🍆だけが襲われる世界で

第2章 そして出会う


 そんなはずはない。
 俺の頭はすぐにそう囁いた。
 俺は立ち上がり、自分の寝室であるはずのものを探そうとした。だが、見渡す限り草地と空が広がるばかり。なんなら某ゲームかのように全てが四角いもので出来ている。なら俺も四角いのかと腕を見てみても、そんなことはなかった。
 なんなんだ、この状況。
 まだ頭が理解したくなくて、何も考えないように辺りを散策してみる。と、すぐそこに見覚えのあるもの。某ゲームの「村」だ。
 とりあえずその村に行こうと歩き出して、ふと疑問点が浮かぶ。なんか俺の周り、羊が集まってきていないか?
 そんな不安は的中し、めがけたかのように大量の羊が押し寄せてきた。え、どういうこと?
 訳が分からないままいると、どれかの羊が体当たりをしてきた。はぁ?! 痛いんだけど!
「おい、やめろ!」
 俺は羊に喚き散らしてやり返してやろうとしたが、違和感にゾッとした。当たり判定なくね?
 羊は次から次へと体当たりをしてきて、俺はなんとか群れを掻き分けて走り出す。助けてなんて叫んでも誰もいない。そうだ。とにかく村に逃げ込もうと建物に飛び込んで扉を固く閉じた。
 それからそこにあったベットに座りながら、俺は落ち着いて考えてみた。これはつい最近やったあのサバイバルゲームに似ている。俺は気づこうとしていた。
 ぼんじゅうるだけが襲われる世界?
 いや、そもそも他のメンバーがいないから確信は持てないのだが、羊にすらやり返せないなんてそれしか思い当たらない。俺はなんて夢を見てるんだ。
 こういう時はさっさと寝るのがいい。俺は座ってるベットに横になろうとするがそれは出来なかった。まるで見えない何かがあるみたいに、ベットに触れられるものの、横になることが出来ないのだ。
 俺は全てを察した。やっぱり、ここは某ゲームの世界だ。
 外は昼間の快晴。その下で羊の群れがメェーメェーと騒いでいる。俺はここから一歩も出られないが、果たしてこのままでこのよく分からない夢から覚めることが出来るだろうか。
 よくあるのは、エンドラ討伐をすれば解放されるパターン。
 俺一人でエンドラ討伐? 無理無理! 絶対無理でしょ!
 俺が小さな砦の中でそうしてモンモンと考えていると、一つの希望が差し込んだ。
「あ、こんなにいっぱい獲物を発見〜!」
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