第2章 馬鹿と告白と初デート
「お兄ちゃん止めて!なんでこんな酷いことするの…私が悪い子だから…っ?」
「ーーーーー」
「痛いよ…ぅ、苦しい…よぉ…、つらい、つらいよ、お兄ちゃん…っ」
何度「やめて」とお願いしても、叩かれて殴られて蹴られた。
お兄ちゃんは虫の息になった私に、最低なものを挿れ込んだ。
受け入れる気なんて全くないのに、強引に押し入ってくる。
息を荒げて興奮するお兄ちゃんとは対照的に、その異物に体を壊されながら時間が過ぎるのを願った。
いつしか拒否をしてはいけないと本能に教え込まれ、逆らうこともなく、私はお兄ちゃん…お兄様の捌け口となり人形となった。
「私が悪い子だから」お兄様はこんなことをする、「私が悪い子だから」両親は助けてくれない。
体の痛みが膨れ上がるほどに心の痛みもどろどろに増していく。
決して癒えることのない傷がぐちゃぐちゃに増えていく。
「寧々のせいだ…!」
妹の名前を憎悪に満ちた、悪意に満ちた声で呼び捨てる。
家族の誰一人として可愛い娘として扱ってくれない。
水無月家にとって兄だけが次期当主のお膳立てをされ、私は捨てる場所さえない要らない子だった。