第4章 TNTになった俺と傷つかない少女4
小さなモータ音が鳴り、俺を囲っていたガラスの壁が上へと持ち上がった。
やっと俺もこれで脱出。
するとミウの顔がぱっと明るくなり、黄色い声を上げた。
「メン、やったぁ!」
「あ”、それは待っ……」
ミウが俺に向かって飛びつこうとし慌てて止めようとしたが間に合わず。俺の腹にミウが抱きついてきた。
あれ、爆発しない。
俺の予想では強い衝撃で爆発する予定だったんだが、と考えていると、ミウがどうしたのと言いたげにこちらを見上げた。
「いや、なんでもない……」
言いかけた直後、それは起こった。
シュッという音。
離れろと叫ぶよりも早く、爆発音と衝撃が広がった。俺は床へ大きく吹き飛ばされ、背中に激痛が走った。
「ってぇ……」
俺の腹辺りにいたミウがどうなったのか分からない、と思いきや、わずかに重みを感じて目を上げた。
「あはは、面白〜い!」
「はぁ??」
倒れた俺の腹の上で、ミウがケラケラ笑った。心配した俺が損した気分だ。と同時に、ミウはカプセル部屋の外でも「傷つかない少女」であることに変わりはないらしいということが分かる。
とはいえ、ミウが勢いよく飛び込んでくる度に爆発していたら、俺の体が持つか分からない。というか、そろそろこれが夢じゃない気がしてきた。だって痛いもん!