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TNTになった俺と傷つかない少女

第1章 TNTになった俺と傷つかない少女


 俺がTNTになった世界でサバイバル。
 いつかの誕生日企画より鬼畜となったが、なんとかドラゴンを討伐して撮影を終えた、次の日だった。
「ん……?」
 明らかに見たことのない景色に、俺は何度も瞼をこすった。それから辺りを見回すと、黄色い声が聞こえた。
「あ、やっと起きたんだね!」
「……は?」
 見ると俺は、体中タンポポだらけで横になっていたらしい。隣にはたくさんのタンポポを抱えた少女。いや、ここはドズルさんじゃないのかい。
「あのね、あたしはミウだよ!」
 と見ず知らずの少女に名乗られて、俺はようやく理解した。そうか。ここは夢の中なのだ。
「お兄さんのお名前は?」
 ミウという少女が俺に聞いてきた。まさか夢の中で名前を聞かれるとは思わなかったが、まぁいつも通りに名乗って置けばいいか、と安直に考えた。
「おおはら……」
 あれ、この場合どっちで名乗ったらいいのだろうか。考えていると、少女はきょとんとした顔でこちらを見上げた。
「おーはら?」
「MENだ」
「メン? 覚えやすいね!」
 ミウはくすくすと笑った。
 まぁどっちでもいいか、と思ったのでMENと名乗ったものの、この少女、どうも全く見覚えがない。白いワンピースに黒くて長い髪の毛。ここが夢の中なら、大体は会ったことがあるやつが出てくるんじゃないのか?
「メンって面白い見た目してるね」
 俺の思考回路が分かるはずもないミウは、無邪気そうな顔で見た目の感想を言った。
 俺の見た目……? そんな変な格好して寝たんだったかと俺は自分の腕や服を見て全てを察した。
 俺、今TNTになっている。
 ゲームのやり過ぎかなんなのか、まさか夢の中でもこんな状況になるとは。ってことは俺のそばにいるこの少女、危なくね?
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