第27章 子供は私だけで育てると決めた日(潔・千切・玲王)【前編】
千切豹馬
『分かった、別れる。でも認知だけはして』
そう言うとひょーまは零れ落ちそなぐらい目を見開かせていた。婚約して2週間だがもう何回目の別れるという言葉に耐えきれなかった。するとひょーまはひくりと喉を鳴らしながら「認知って……ど、どういうこと」と言うので、私はエコー写真をひょーまに見せる。
『赤ちゃん、出来てたの。でも別れるから、認知だけはしてほしいの。この子に書類上に父親が居ないなんて可哀想でしょ?』
そう言いエコー写真を机に置くと私は軽い荷物を持って玄関へと向かう。行き先は実家で良いだろう。訳を言えばお母さんも分かってくれるだろうし…と思っていれば腕を掴まれた。かなり焦った顔をしているひょーまがいる。
「ま、まて…待ってくれ🌸」
『待たないよ、ひょーま。ねぇ?約束したよね…別れるって言葉は辛いから言わないでって。でも忘れてるみたいだし、結婚しても直ぐに離婚するとか言いそうだから。私とひょーまはここで終わり』
そう言って私は家を出た。