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《赤井夢》Happiness{R18}

第48章 脆弱




「待ってろ、簡単なものだが用意する。」

『あ…私も手伝いますよ。』

「いいからお前は座ってろ。」




肩を押されてダイニングテーブルにストン、と座らされて
赤井さんは1人でキッチンに入り調理し始めた。



彼の後ろ姿を座りながら眺めていると
すぐにいい香りがしてきて、私の食欲がさらに湧いてきた。


そしてあまり時間が経たないうちに
赤井さんは出来上がったご飯のお皿を私の元に運んできてくれて、私の向かいの椅子に腰掛けた。




『うわぁ…美味しそうなリゾットですね。』




夜遅い時間なのを考慮してくれたのか量は少なめだけど
私はさっそく渡されたスプーンを受け取り、リゾットを口に運んだ。



『!!美味しい……赤井さん、これって…』

「やはり気づいたか…流石だな。」

『この前作った…コンソメスープを使ってますよね?』

「まだ少し余っていたからな…
チーズとミルクを入れただけだ。」



それでもかなり美味しいですよ…


お腹が空いていた私はあまりの美味しさに夢中でパクパクと食べ、あっという間に完食。



『ご馳走様でした!片付けは私がやりますね!!』

「っ…」



空腹が満たされただけでなく
赤井さんが私の為に作ってくれたその気持ちが嬉しくて…

自然と笑顔になってお皿をキッチンのシンクに置き
蛇口から水を出そうとしたら
私の後を追ってきていた赤井さんに後ろから抱き締められた。



『え…え…?赤井さん…?』

「やっと見れた…お前の笑った顔…」

『っ……』



私の耳元で囁いた赤井さんの声はなんだかとても切なくて…


それだけではなく、喜びも少し含まれているように聞こえた。



「やはり俺は…
お前には馬鹿みたいに笑っていて欲しい。」

『ば、馬鹿みたいって…』

「お前の笑った顔を見ると癒されるんだ。」


…やっぱり赤井さんはずるい。


こんな風に後ろから優しく抱き締めて
そんな事を囁かれたらトキメキを隠せないよ…。



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