第1章 再演
「死ぬ様な事になった場合、この時間まで戻って中止を宣言するっていうのは?」
名前「先程の時間から今後此処へ戻るまでずっとだ。私が中止を伝える事をした時点で中止して帰還しろ。命令違反は許さない。後少しで助けられそうと思うこともだめだ。その場合、
“私が未来を見て戻っている”からだ。」
つまりそれは……
どんなに目の前で助けられると感じても
名前が未来を見ているから無理だって事…だよな…?…
名前「…世界線は幾つも存在する。だが変えられる事は限られている。無理に捻じ曲げようとすれば、些細な変化が大きな波紋を呼ぶ事は間違い無い。」
「見て来たって…こと?」
名前「聞くな。」
「キミは…どれだけの世界線を超えたの?」
名前「覚えてないな。」
「…キミは覚えている記憶を、周りの人は知っているの?」
名前「…“起きていない事は誰も知らないだろう”」
「…起きていない事…に、なっちゃうんだ…」
名前「…?何でお前が辛そうなんだ?」
ーー悲しいに決まってる。例えばやっと結ばれた人が居たとしても、時間を戻して結ばれていない未来で相手が生きているなら、それを選ぶって事だろ…ーー
名前「……ヒロ。」
名前を呼んで彼女が真っ直ぐ俺を見た。
視線を逸らす事なく、ブレる事もないその瞳を見つめた。
名前「 気にするな 」
ノアが言っていた“見れば分かる”と。
俺は今彼女に、“命令”されたんだ…
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