• テキストサイズ

愛を込めて、大公殿

第2章 見返りのない…


わたしは魂が抜けたようになってしまったが、やらなくてはいけないことはたくさん、ある。

日々の仕事を必死にやった。
 

そうこうしている間にも戦況は激化していき、

戦士の顔にも疲弊と諦めの色が浮かび始めた。

変わらず、表情も姿勢も崩さない大公は、

真っ直ぐ前を見ていた。

ふと視線があったような気がした。

視線が合うとまるで、2人の間に真っ直ぐ繋がりができたかのように、動けなかった。

2人の間に生じたものは"絆"だった。

紛れもなく。

私は必死に記憶の中で大公を探したが、どこにも見当たらない。

でも、この懐かしさは、なんだろうか。
この、ずっと探していたものを、見つけたという喜びはなんだろうか。

私は胸元のペンダントをギュッと握りしめながら、
広場を後にした。

/ 16ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp