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OH CHERRY!─山コンビ─

第6章 in フラれちまった悲しみに(最早“in”は不要)





智くんの瞳に、また涙が浮かんでいた

俺は至近距離でウルウルと揺らめく智くんの瞳を見詰めた


今にも泣き出しそうな顔の智くん


(…抱き締めたい……行かないで欲しい……俺を選んでくれって……そう言って……智くんを…)


…でも…


翔「………ゴメン………言えない」

智「……翔くん…どうして……」

翔「……ゴメン」


また俯く俺

智くんは、俺の腕を握った手を

ゆっくりと離した


智「………もし、僕が戻って来たら………話してくれる?」

翔「!!!?」


思い掛けない智くんの言葉に、思わず顔を上げる

目の前で俺を見詰める智くんの頬を

涙が濡らしていた


翔「………」

智「……僕、戻って来るから……きっと戻って来るから………だから、待ってて………


…それで…僕が戻って来たら…


さっきの続き、聞かせて?」

翔「………」


…戻って来る?


………嘘だ、そんなの………


(戻って来る訳…………ない)


相変わらず黙ったままの俺の顔を、じっと見詰めてから

智くんは立ち上がって服を着始めた


俺はただ黙り込んだまま、その様子をぼんやり眺めていた


そうして

着替え終わった智くんが、俺の方を振り向いて言った


智「………じゃあね、翔くん………ちょっと行ってくる」



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