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特級錬金術師の旦那様

第2章 調味料と光る球


ん?朝・・・?薄っすらと目を開けると、直ぐ目の前には美男子の寝顔があった。暫し、固まる私。誰、この人。少し考えて、昨晩のことを思い出した。何故、一緒に寝てる?

「(それにしても)綺麗な顔・・・。」

思わず呟いてしまう程の美男子である。そして、その美男子が私の呟きで目が覚めたらしい。

「・・・ミア、おはよう。」
「お、お、おはようございまする。」
「何それ、どこの言葉?」
「多分、前世。」
「そっか。あ、そうそう。折角だから。」

何が折角なのか聞こうとした時、昨夜と同じく抱き寄せられキスされる。私の心拍数をまたしても爆上がりさせたマーフィス。

放してもらおうと胸を叩いてみたものの、マーフィスには何の反抗にもならなかった。意外に鍛えられているらしい。やっとのことで唇が放れれば、麗しい顔で微笑まれた。

思わずくぐもった声が漏れる。この人は、私を亡き者にでもするつもりなのだろうか?

「もうっ・・・いっぱいいっぱいなの。慣れてないから・・・動悸が激しくて死んじゃうから。」
「可愛いのな、俺の嫁。」
「よ、嫁?」
「そう、俺の嫁。さ、何か朝食を作ろう。あ、着替えは用意してあるから好きなもの選んで。寝室は一緒で、クローゼットは隣りの部屋な。後で他の部屋も案内する。」
「えっと・・・。」
「ん?あ、一人で着替えられないなら手伝おうか?」

丁重にお断りしては、私はクローゼットへと入った。私には前世の記憶があるから、着替え位は一人で・・・一人?そう言えば、昨晩のドレスは誰が着替えさせてくれたの?後で確認しよう。

それより、ここにある洋服凄く可愛い。マーフィスの好み?その中で檸檬色のワンピースに着替え、キッチンへと向かった。

「あ、あの・・・。」
「あぁ、着替えて来たのか。うん、よく似合ってる。可愛いな。慌てて作ったけど、中々いい出来栄えだろ?」
「作ったって、マーフィス様が?」
「様は不要だ。マーフィスでいい。俺たち夫婦だろ。それと、錬金術師は何でも作る。」
「あ、ありがとう。凄く可愛いものばかりだったけど、マーフィスの好み?」
「ミアに似合う物と思って作ったら、ああいうデザインになっただけだ。気に入った?」

改めて、ありがとうと言うと嬉しそうにマーフィスはどういたしましてと言った。この優しさを、あのバカ王子にも見習わせたい。





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