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特級錬金術師の旦那様

第10章 薬草採取と報せ


「甘やかされて頭の足りないヤツは、本当に面倒くさい。」
「王女様は・・・綺麗な人だったよ。」
「王女なんて、その他大勢の一人でしかない。」
「そんな事言うのは、マーフィスくらいだよ。」
「俺の周りには、言いそうなヤツ何人かいるけど?」

愛妻家だから?恐妻家も然りなのか?

「そうだったね。」
「誰が好き好んで、何の面白みもない王女なんか選ぶって言うんだよ。俺のミアを虐げようとするヤツは、等しく敵でしかない。」
「マーフィス・・・。」
「アリオンもそろそろあの町を出るって言ってたし、代わりに他の錬金術師が薬草の見張りの為に斡旋されるだろ。さ、今日はサッサと寝よう。」

至極、王女のことなど眼中にない様で、私を連れてベッドに入る。でも、王女の方は騎士団を使ってマーフィスを追っている。もし見つかったら・・・。

「ミア?」
「えっ?」
「一度、錬金術師の国に行く。」
「えっ?あ、うん。何か用事でもあるの?」
「特級錬金術師を追い回そうとすることに対して、もっと厳しい沙汰を出して貰おうと思ってな。あの人に報告すれば、何とかしてくれるだろうから。」

錬金術師の最高峰である理事長に仕えている人が、若いが凄く遣り手で錬金術師のことを凄く大事にしていると教えてくれた。

「この季節の船旅は色々危険だから、遠回りだけど陸路で向かう。それが終わったら、観光で世界樹の国でも行ってみるか。綺麗な国だから、ミアも気に入ると思う。」
「うん。行ってみたい。」

世界樹の木から採取出来る雫は、エリクサーの材料の一つらしい。ちょっと私も見て見たい。

「マーフィス・・・抱き締めてくれる?」
「ホラ、もっと傍に来いよ。」

マーフィスの温もりに包まれ、少しだけ気持ちが落ち着く。

「他には?」
「他?」
「俺はミアとキスしたいんだけど。」
「キ、キス?そ、そんなの・・・許可が必要?」
「そっか、じゃあこれからはしたい時は勝手にする。」

後頭部に回された手に引き寄せられ、重ねられた唇。その唇も割っては舌が入って来る。そうしている間、私の身体を撫で回す大きな手。

途中で何かで思いとどまった様で、私を抱き締めたまま寝てしまったマーフィス。少し鼓動が早くなった気がしたけど、気のせいかな?




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