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D.World.

第1章 手順




パラレルワールドなど信じていなかった。
ところが目の前に広がる光景は今までよく見ていたあの世界にあった標識だ。

”“米花町”“


第一章 手順

状況を把握する事は容易いが私の手元にはおそらく使えないだろう携帯電話だけだ。
財布も無ければ身分を証明するものも一切存在しない。
この世界が今何月何日なのかもストーリーの中のどの辺りなのかも全てが分からない状態だ。

ーー気温気候を見るに春のあたりか?ーー

そのまま真っ直ぐ歩きながら頭の中でマップを形成していく。時折足を止めて携帯で方位を確認するが、頭の中は今がいつかなのかを知る事でも忙しい。だが、日付が分かったところでストーリーがいつのものだったか一々描かれては無かったので”今がいつ“なのかは分からない。

ーーやはり、最初に彼を頼る他無いのかーー

だが自分の一切知らない場所に使えそうに無い携帯を眺めて充電のマークを探した。
いつもある筈の場所に電池の形を模した形が存在しない。
どういう事か分からず一度電源を落とし再起動をかけてみた。
すると今まで見たことのない画面がついた。

パスワード
_ _ _ _

普段携帯のロックはかけない様にしていたため何の冗談かと思いながら画面をじっと見つめた。

突然世界が変わり身を寄せる場所もない、頼れる人も、身分証もない、唯一持ったままだった携帯もよく分からない状態となってしまった。


一旦携帯から目を離しふぅっとため息を吐きパーカーのポケットに仕舞った。

ーーさて、どうするか。
小学校でも目指すか?ーー

左の手の甲に右腕の肘を当て右手の指を唇に当てて考えながら歩き出してその時、大きな衝撃を受け世界が回る。一瞬また何処かに飛ぶのかと思ったが、意外にも自分の身体は2度目の衝撃を受け、

この世界に辿り着いて初めて視界が真っ暗になった。


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