第3章 始業
「それではお題に沿って実際に短歌を作ってみましょう。ラストの文字を『触手なりけり』で締めてください。
書けた人は先生の所へ持ってきなさい。チェックするのは文法の正しさと触手を美しく表現できたか。
できたものから今日は帰ってよし!」
奇妙だ。授業にこうも毎回触手やタコを入れてくるのか。余計かもしれないがこれは国語の授業だ。自分好きなのか
「せんせー質もーん」
「何ですか?茅野さん」
「今更だけどさー、先生名前何て言うの?他の先生と区別するとき不便だよ」
「…………名前ですか、名乗るような名はありませんねぇ。何ならみんなで考えてください。今は課題に集中ですよ」
「はーい」
はあ、早く終わりたいような帰りたくないような複雑な気持ち…短歌なんてすぐ書き終わる。書く前に自習しよう
すると渚さんが席を立った
「おや、渚君もうできましたか」
私たちには見えた。短歌の短冊の裏に対先生用ナイフを仕込んでいることを
私は静止して見ることにした
素早くナイフを取り出すと、顔に一直線に振りかざす。しかし、単純な早さなら相手が上だ
「言ったでしょう、もっと工夫を…」
それでいい、私には彼の顔がそう見えた。ゆらりと相手を抱き締め動きを拘束した
まさかッ…
これは単純な個人の暗殺じゃない…!
席を立とうとしたがそれは爆発音のほうが早かった
バアンッ!!!!!
まき散らされたBB弾。皆目に入らないように手やノートで防ぐ。襲撃が終わると目の前にはついさっきまで黄色だった怪物。計画犯はやはり寺坂さんたちのようで成功に浮かれている
「ちょっと寺坂、渚に何持たせたのよ!」
「あ? オモチャの手榴弾だよ。ただし火薬を使って威力を上げてる。三百発の対先生弾がすげえ速さで飛び散るように」
『ひどい…』
「へっ、安心しな。人が死ぬ威力じゃねえよ。俺の百億で治療費ぐらいは払ってやらあ………ん?」
『何か…』
ありましたかと聞く前に私にも分かった。天井から伝う禍々しいオーラが
「実は先生月に一回脱皮をするんです。脱いだ皮を爆弾に被せて威力を殺した。つまり月イチで使える奥の手です」
顔はどす黒く、もはやあの顔文字のような形は原型を留めていなかった。教えてもらわなくてもわかる。怒っていること…
そしてこれが怪物と呼ばれていた正体だと