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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第28章 夏の匂いが残る頃に


「おはよう、遊夢」
『おはよう、おばあちゃん』
「見て頂戴、今朝家の畑でとれた野菜よ」
『わあ、新鮮そうだね』
「今日のご飯に出しましょうね」



『……おばあちゃんごめん、貰ったギター、ネックが折れちゃって…』
「あら、そうだったの?いいのよ、どうせ古い物だったからそう長くは持たないでしょ?新しいの買ってあげるわ」
『………いや、いいや』
「そう?」



夏休みも後半戦。私は勉強の意も兼ねてお盆に亡き母の両親の家に帰っていた。あの父親は自分の家でぐうたらしてるだろう


やはり都会と違って自然に囲まれていてアスファルトの熱がほぼない。家も古いが開けていて涼むには絶好の間取りだ



低い机に教材を広げて定時まで勉強をする。




暫くした後、携帯のバイブが鳴った。画面を見れば知っている人の名前が

『え?渚さん?』

一瞬で熱が顔に集まる

『え…どうしよ、どうしよ…』

初めての電話でもあって少しためらったが、早く出てくれないと迷惑だと思ったので、観念して通話ボタンを押した


『も、もしもし…』
「もしもし遊夢ちゃん?久しぶり」
『は、はい、沖縄以来ですね。どうかしましたか?』
「あ、うん。良ければ僕の家で一緒に勉強しない?」
『え?』
「遊夢ちゃんも勉強してるなら一緒にやった方が効率よくできるかなって…」



そ、それはつまり家のお誘いを受けている…!?


『あの、他の人たちは?』
「あー、今の所僕と二人かな」


しかも二人きり!?




「遊夢ちゃん?」
『あ、すみません』

衝撃で余りにも不自然な間が空いてしまった。落ち着いて現状を連絡する



『その、今は母の実家に帰省しているので今そちらに行くことは無理ですね』
「そっか、まだお盆だもんね。今年は帰省してないから忘れてた。じゃあ、お盆明けでもいい?」
『多分…大丈夫だと思います』
「よかった。じゃあその日に家に迎えに行くから」
『は?
いや、自分の足で行けますよ』

私が今知られたくない情報。第一位 住所

一度知られてしまえば今後足を運ばれる可能性が高い。それはMineとしてという意味でもあるし、今の家庭状況的にも心配される。察してもらうより自分から言えるのが一番いいのだが。
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