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私が嫌いな私なんて〇したっていいじゃないか

第27章 バベルの塔の時間


「皆、店の奥までたどりついたけど、やっぱりこっからが難しそうだよ」
暫く歩いた後、片岡さんが小さく皆に声を掛ける
見ると目的の扉の近くに屈強そうな警備員が何人かいた。女子だけじゃあちょっと難しいかも…

「場合によっちゃ本当に男手が必要かも。茅野さん、渚を呼んできて」
「うん!」

「あの裏口のカギを開けて男子を中に入れたいんだけど、扉を開けるのも階段を登るのもあの見張りがジャマだ」
「なんとかあの見張り…おびき出してそのスキに通れないかな」
「強行突破は避けたいよね、ホテルの従業員だから倒したらすぐバレちゃう」
『下見もそこそこにしておかないと…これだけの人数ですし顔を覚えられる可能性もあります』
「それはちょっとまずいね、一旦距離おこうか」
今か今と様子を遠くからうかがってると…

「おう待てって彼女等」
誰に声をかけられたと警戒心丸出しで振り向くと、男が後ろに立っていた。確か……そうそう、渚さんをナンパした男だ。カズヤ…だっけ?

「大サービスだ、俺の十八番のダンスを見せてやるよ」
と堂々と道の真ん中で踊り出した彼
『…(目立つしシンプルに邪魔)』
渚さんも面倒な人引っかけたな…警備員の前にこいつの対処しなきゃ

そんなことも露知らず踊る彼。しかし、度が行き過ぎて一人の男に当たる。持っていたグラスが擦れガシャと耳を裂く音が響いた

「こらガキいい度胸だ、ちっと来い」
「あ、いや、今のはわざとじゃ」
「百万する上着だぞ弁償しろや!!」

その様子も白々しく見る私。
いや、その上着ウチの父親も着てるよ……彼も彼だし奴も奴だしこりゃ世も末だな
「オラ住所書け!!」
早く出たいと思った時、矢田さんが何か思いついたようだ

「ひなたちゃん」
小さく声をかけると岡野さんはこくりとうなづく

「慰謝料込みで3百万。それ払えば半殺しで許してやる」
「え、カ、金は親父が出すから殴るのは…」

二人のやり取りの横で岡野さんが動いた
音もなく近づいた彼女に気付かなかった男はそのまま彼女の攻撃を許す。岡野さんの足が男の顎にクリーンヒット。その様子を唖然と見ているカズヤさん

「よっと」
倒れた男を支えたのは片岡さん
「すいませーん、店の人〜」
矢田さんも躊躇うことなく警備員に話しかける
「あの人急に倒れたみたいで…運び出して看てあげてよ」
「は、はい。ドラッグのキメすぎか? 全く…」
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