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山鳥と雛鳥

第2章 雛鳥はあっという間に


持っていた布で出来た本でひたすら遊んでいる。
布の中に何か素材を入れたのかカシャカシャと音がした。
雛鳥が来た時にはそれなりに進めていたので、報告書はすぐに片付いた。

「よし、終わった…。
雛鳥、立ち上がるからちょっとどいてもらえるだろうか?」

雛鳥はスっと立ち上がってくれた。
素直でとても助かっている。

私は小鳥の部屋に報告書を置いたら、雛鳥と縁側に座った。

「そういえば、雛鳥はお昼ご飯は食べたのかな?」

雛鳥はフルフルと首を横に振った。

「そうか、これから若鳥達が何か作るらしいんだが食べたいものはあるのかな?」

雛鳥はすぐさま「うどん!」と叫んだ。

「あのね、たまごぐちゃぐちゃのおうどんが食べたい!」

「卵、ぐちゃぐちゃ…?」

私はキョトンとしただろう。

そこへ、乱藤四郎と五虎退が通りかかった。

「あれ?山鳥毛様?難しい顔をしてどうかしました?」

2人は私たちの方へやってきた。

「五虎退と乱か。ちょうどよかった。
雛鳥がたまごぐちゃぐちゃのうどんがお昼に食べたいと言ってな。」

「たまごぐちゃぐちゃ?
娘様?たまごぐちゃぐちゃとは?」

五虎退も分からないみたいだった。

「ほーくえん(保育園)でたべたの!
たまごぐちゃぐちゃのおうどん!
ちゃーちょーもーが作ってくれるって」

いや、私は言ってないが…

2人は驚いた顔をした。

「山鳥毛様がお作りになられるんですか?」

ほら、言わんこっちゃない…。

「あ、あぁ…雛鳥、他のものが作るじゃダメかな?」

「ちゃーちょーもーがちゅゆって!(山鳥毛がつくるって)」

困ったなぁ…。

「ねぇ、娘さん?たまごぐちゃぐちゃってもしかしてかきたまうどん?」

「かきたま?」

乱に言われて考えるが本人は分からないみたい。
笑ってごまかしていた。

「あ、そうそう。かきたまうどん。
チビ、かきたまうどんが気に入って最近よくねだるんだわ。」

声に驚き振り返った。
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