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山鳥と雛鳥

第17章 恋心


雛鳥の新たな想い人…。
一体どんな者なのだろう?

綺麗に可憐に見違えた雛鳥の切ない表情が私の脳裏に焼き付けられる。

あぁ、やはり会うべきではなかった…。

この手に収められない。

年甲斐もなく聞きたくない…

「そろそろ、行こうか。
もうすぐ暗くなってしまう。」

私は立ち上がってポケットに入れてる現世用の財布を取り出した。

「あれ?ちょもさん?何か落ちましたよ?」

雛鳥が何かを拾った。

「あれ?これ、シマエナガのストラップじゃないですか?…私の持ってるのと似てますね?」

そういえば、根付を取り出していたのを忘れていた。
つい先日、懐かしさに眺めていたら小鳥に呼ばれた時に瞬時にポケットに入れていたのだった。

「雛鳥の?」

私は不思議に思った。
この根付は小鳥とお揃いだと、雛鳥が私たちにくれたもの。
なぜ持っているのか?

「ちょもさんは、赤なんですね。
お父さんからもらったのは黒いリボン巻いてたんですけど。」

そう言うと、雛鳥は筆入を取り出して私に見せてきた。

「お父さんの仕事が忙しくなるし、会える機会が減るから寂しくて無理言ってもらったんです。」

なるほど…。

「ちょもさんは赤なんですね?
赤が好きなんですか?」

私はふと昔の言葉が思い浮かんだ。
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