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山鳥と雛鳥

第16章 夢の中の彼と香りの記憶



夢の中、よく見るあの古民家の廊下を真っ直ぐ歩く。
ガラリと襖を開けて、大好きな人の部屋に入る。

「…今日も来たのかい?」

「うん…隣に座ってもいい?」

「あぁ、もちろん。」

その男性は優しい口調で微笑む。
何かを読んでいる彼の隣に座り、自分も持ってきた本を広げ読んでいる。


小学生の頃の記憶?
でも自分に、そんな知り合いなんて居ない
こんな古民家も人の家のような気がする。
なのになんでこんなに懐かしいと思うんだろう。

この時間が幸せとすら思うのはなんでだろう…

机の上にはお香が煙を上げていた。

「この匂い好き。
温かくて優しい匂いがする。
⚫⚫⚫みたいで。」

誰かの夢のようなのに、どうしてこんなにも胸が苦しくなるんだろう。
その人は誰なんだろう…。

夢なのに、涙があふれた。
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