第2章 雛鳥はあっという間に
数十分後
出来たて熱々のうどんは火傷の恐れがあるので
十分冷ましてから雛鳥の前に置く。
「きゃあああああ!」
喜びのあまり甲高い声を上げて雛鳥は喜んだ。
フォークという食器で持ち上げて頑張って食べようとする。
つるりとフォークから滑り落ちては少し悲しそうな顔をするのも可愛らしかった。
「ほら、これなら…」
私が食器を持つと雛鳥は本当に雛のように大きく口を開けて待っていた。
「おま…はぁ甘ったれてんな。」
小鳥は呆れたような苦笑いをする。
「お頭に甘えられるなんて…!」
子猫(南泉)が何故か顔を青くしていた。
私は皆の様子がおかしくて笑ってしまった。
この時間がどこか愛おしくてたまらない。
この幸福感はきっと、雛鳥のことを皆が思っているからだと私は感じた。
「もっかい!」
雛鳥は口を大きく開けてうどんをねだった。