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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第13章 一日奥方2 【三成】


「失礼だなんて、そんな事はないけど‥‥」

名無し様も困ったご様子。

ああ‥‥

本当に良かった。

これからも私は武将として生きていっても良いようです。

そして‥‥

私の肩の下くらいにある名無し様の横顔を見つめる。

隣に名無し様がいてくれると、なぜか周りの空気が柔らかく感じる。

何も恐れる事はない、そんな気がしてくる。

私が苦しい時は、優しく傍にいてくれ、
私が嬉しい時は、一緒に喜んでくれたら‥‥。

何て幸せな事なのでしょう。




梅の花を見たり、池の鯉に餌をやったり、楽しい時間を名無し様と過ごしました。

他愛もない話をして、二人で微笑み合う。

乱世が嘘のように穏やかな空間でした。

昼餉は、名無し様の手作りの料理を楽しんだ。

おむらいす、というものなど、少し変わっていましたが、私の為に作ってくれた気持ちが嬉しい。

囲碁をして私が勝ち、その後は再び散歩に出ました。

その時、

「きゃぁっ!」

ふいに立ちすくみ悲鳴を上げた名無し様。

「どうしました?」

「‥‥へ、蛇‥‥!!」

そこには五尺(約150cm)ほどの青大将。

黄褐色に縦縞のある体をゆっくりとくねらせ進んでいく。

「青大将です。毒はなく、こちらから刺激しなければ襲ってこない。心配いりません」

「…」

そう声をかけてもまだ彼女は足を動かせないでいる様子。

「…失礼いたします」

そう声をかけ、名無し様を抱え上げた。

そのまま蛇から離れて駆け出す。

「あ、ありがとう‥‥。もう大丈夫」

「怖かったのですね、このまま部屋に戻りましょう」

「‥‥」

「妻を守るのは夫の役目です」

守るべき人がいるというのはとても素晴らしいこと、そう思いました。

夫婦だから…

この後の行動を心に決め、名無し様の温もりと身体の重みを腕と胸に感じながら走った。
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