• テキストサイズ

*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第7章 *File.7*


「怪盗、キッド?」
「夜分遅くに突然お邪魔してしまい、申し訳ございません。こちらで少しだけ羽根を休ませて頂いても宜しいですか?」
「想像以上に、カッコイイわ」

何時か逢えたらいいな。とは思ってはいたけど、まさか念願が叶うとは!
素直に見惚れるよ、感動モノだ!
彼は狭いベランダに降り立つと、私のスマホを持たない方の手を取り、チュッと触れるだけのキスをした。

「お褒め頂き、有難うございます」
「中身はごく普通の高校生なのに、ね?」
「!!」

その一言に、一礼した怪盗キッドの紳士的な雰囲気と目付きが一気にガラリと殺気にも似た冷たいものに豹変した。

「ごめんね?私はかなーりワケありの特殊な人間だから、貴方のことも色々知ってるの」
「ワケあり、ですか?」
「そう。この広ーい世界でたった一人しかいない、異世界から来た人間。見た目はただの普通の女、なのにね?信じられないでしょ?」
「…異世界?」
「そう。私にとってこの世界は、とある作者が描いた物語、二次元の世界、なのよ」

彼からの探るような強い視線は感じるけど、モノクルの向こうでどんな目をして私を見ているのかが怖くて、視線は遠い空に向けたまま。

「ちなみに元の世界での、貴女は?」
「交通事故で死んだよ。だからもう私の居場所はココしかないし、帰ることも出来ないの」
「どうして、私に?」
「誰かに聞いて欲しかったのかな?不思議ね。勝手にスルスル言葉が出て来た。あー、こんなこと愚痴ったのがバレたら怒られるから、一生オフレコでお願いします」
「……」
「えっ?」

腕を引っ張られた次の瞬間には、目の前は白のタキシードが広がっていた。
彼らしい、清々しい香りに包まれる。

「可愛い女に泣きそうな顔されたら、こうしたくなるだろ」

口調が素に戻ってる。

「中森青子ちゃんに怒られるよ?黒羽快斗、クン」
「俺の名前まで知ってるのかよ?」
「うん」
「で。そのバレたらヤバい相手って、男?」
「そう。私には勿体無い、中身もちょー素敵なイケメン彼氏と、その同級生三人」
「過保護、なのか?」


/ 212ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp