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*名探偵コナン* ILOVE… *諸伏景光*

第5章 *File.5*


「噂で色々聞いてはいたが、初めまして。だな」
「はい。望月雪乃と申します」
「よせよせ。堅苦しいのは苦手なんだ」

躊躇いも無しに伸ばされた大きな掌は、私の髪をわしゃわしゃと撫でた。
見た目も見た目だから慣れてはいるけど、妹扱いですねえ。

「……」

ってか、マジでホントに眉毛太っ!
これは想像以上でした。
毛虫一匹余裕で乗っかってるから!
正面に座られたら、嫌でも目がそっちに行くって!

「くっ、くくっ」
「…諸伏?」

不意に隣で、景光が吹き出して笑った。

「雪乃は、班長の眉に見とれてるみたいだけど?」
「す、すみません」
「何だ。眉だけか?」

と、コーヒーカップから離した太い指先で、自分の眉をガシガシとかく。どうやら自覚はあるらしい。

「じゃないと、オレが困るよ」
「ライバル多いだろ?」
「……ハア」
「?」

何の?

「くっ、くくっ」

今度は班長が私と景光を見比べて、楽しそうに笑う。

「苦労するな」
「お陰様で」
「?」

二人の意味深な視線を感じて、私はハテ?と首を傾げた。

「しかしまあ、普通に可愛いお嬢さんじゃないか。松田のヤツが散々ボロクソ言ってたから、お前は一体どんな悪女を拾っちまったのかと、心配してたんだ」
「班長…」
「あー、悪ぃ悪ぃ」

って、全然思ってないよね?
散々、ボロクソ…。
陣平のヤツめ!
どれだけ班長に愚痴ったの?
初対面がアレじゃ仕方がないし、寧ろ、私がそういう方向へ持って行ったワケだから覚悟はしてたけど、こうも正直に言われたら無性に腹が立つのは気の所為?

「想像はつくけど、陣平とゼロとはもう仲良くなったから、ご心配なく」
「…仲良く、ね」
「……」

景光が遠い目をして、ボヤいた。
うん、今のは聞かなかったことにする。
観覧車での出来事は、当面引き摺りそうデスね。

「そういや、ゼロは何にも言ってなかった、な」

再びため息を洩らした景光に首を傾げながら、班長が思い出したように呟く。


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