第2章 柱合会議
春の暖かな風が優しく頬を撫でる。
その風はやがて、耀哉の居る屋敷にも流れ込んだ。
優しい朝の日差しに誘われる様にして
耀哉は体を起こす。
耀「今日は、久しぶりに私の可愛い剣士達に会えるね」
そう呟いた。
ーーー
今日は、柱合会議だ。
いつもより早く起きた琴美は、鏡台の前に立ち小一時、鏡と睨めっこしていた。
「…よし!」
琴美は昨晩から用意していた荷物を持つ。
桃色の巾着袋の中には、手鏡や紅が入っている。
巾着袋の紐を左手首に通すと、栗色のブーツを履く。ブーツは隊服に合わせて作られていて、高さは踝より少し上にくるくらい。
栗色の靴紐をきゅっと引いて蝶結びにし、勢い良く、戸を開けた。
「行ってきます!」
「「いってらっしゃいませ!花柱様!!」」
琴美が明るく大きな声でそう言うと、屋敷の中で家事などをしていた隠達は、同じ様に大きな声で返事をする。
隠弌「花柱様。今日も愛らしいなぁ…」
隠弍「元気で無邪気な感じが年相応で可愛いよな」
隠弎「だよなぁ…こっちまで元気になるよ」
隠達は、琴美を暖かい目で見送った。
今日は一段と元気な琴美。理由は単純。無一郎と会えるのが嬉しかったからだ。
無一郎とは、合同任務以外であまり関わることが無い。そのため、柱合会議でも二人で話したりする事が無い。
それでも琴美は、無一郎に会えるだけで嬉しかった。