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999本の薔薇〈進撃の巨人〉

第7章 Odontoglossum



 リヴァイと喧嘩をしてから数日が経っていた。その間必要最低限以外のことは喋っていない。いわゆる気まずい日々が続いていた。
 ローズもリヴァイもこうした喧嘩をしたことがなかった。だから、どうすれば元通りになれるのかがわからないのだ。ただこのままではいけないという思いはローズの中にはあった。


「おや、ローズ。暗い顔じゃないか。なんかあったのかい?」


 夕飯の買い出しをしようと露店を巡っていると、店主が話しかけていた。恰幅のいい女性だ。ローズは苦笑いをして頬をかいた。


「え、えへへ、バレましたか? ちょっとリヴァイと喧嘩しちゃって……」

「喧嘩ァ!? あのリヴァイが!?」

「あのってどの、ですか」

「だってアイツ、あんたにベタ惚れだろ」

「んぐぐぐ」

「照れなくてもいいって」


 微笑ましそうに店主は笑ってローズの頭をかき回す。ぐらぐらと頭を揺らしながらローズは口をもごもごとさせた。強く否定できないのが恥ずかしい。


「そうだ、せっかくならこの機会に仲直りしたらどうだい?」

「この機会?」


 不思議そうに聞き返すローズに店主は頷いてこともなげに言った。


「今日が誕生日じゃないか、リヴァイの奴」

「…………え?」

「ん?」

「えぇぇえええ!?!!?」


 ローズの素っ頓狂な声が地下街に響き渡った。
 リヴァイの誕生日が、今日!?! そんなの聞いていなかった!!


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