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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第3章 コルボ山へ





───やくそくするよ、おかあさん……。わたしがぜったいエースをまもってみせるから、おかあさんたちのぶんもきっと、あのコといっしょにせいいっばい、いきるからね……───



私はあの日、ガープさんに作ってもらったお母さんの墓標の前で、エースと三人でそう誓った












「ぐすっ……!ズピッ……おがあ゛さん……っお゛がぁざん゛、」


ガープ「……っ」




『ポートガス・D・ルージュ』と掘られた十字架の墓標の前で、体も心も6歳だった当時の私はその場に蹲って涙も鼻水も垂れ流して泣いていた。その両腕には生まれたばかりの小さな赤ん坊、私も両親も誕生を待ち侘びた可愛い子、愛され望んで残された血を分ける弟……


私はお母さんに託されたあの瞬間から、ずっとエースを離さず抱えたままだった。だってこんなにもか弱く儚い命だ。じんわりと伝わるエースの重みと温かさ、生まれた瞬間の産声と奇跡が叶った事が嬉しかった。この世でたった一人になった可愛い家族だ。私は母から貰った最期の言葉と深い愛情を胸に、たとえ世間から『鬼の子』なんだと蔑まれても両親の確かな想いをエースに語って、命を大事に生き抜きたいと思った


そうして私が止まらぬ涙と嗚咽を漏らし続ける隣で、親切にお墓を作ってくれたモンキー・D・ガープさんも屈んで両手を合わせてくれた。その時の表情は彼に影が差してて見えなかったのだけど、がっしりと逞しい両肩と腕が震えて「くっ……」と小さく息を詰まらせていたので、彼も悲しみ悔やみんでくれてるのだろうと分かる。だから言葉は無いけどその事実だけで、他の残酷な海兵達とは違うんだなって知れてホッとした。すると数分黙祷してくれていたガープさんがその手を降ろすと、険しい雰囲気で俯いたまま大声で私に言い放つ





ガープ「っ、……今日からワシがお前達の家族、おじーちゃんじゃ!!これでも海軍中将の忙しい身、そばにはいれないワシの代わりに面倒を見れる育て親を決めておる!」


「……」


ガープ「そこは知り合いの山賊が牛耳る大自然じゃ!修行とサバイバルには持ってこいの場所、そこでお前達二人は立派に強くなってみせろ!!」




そんな厳しくも不器用で優しい言葉を聞いて、私はお母さんの墓標を真っ直ぐ見上げながら「はい!!!」と大きな声で誓うのだった


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