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転生しちゃった元鬼殺隊士の救済録

第5章 鬼の子達よ、達者にあれ





あれから前世を思い出して数年の月日が経ち、私の可愛い弟・エースはすっかり野生児風に成長していっている。毎年エースが生まれた1月1日には「生まれてくれてありがとう」、「愛してるよ」の言葉を告げてきた。贈り物なんて行き帰りする体力や金銭的な問題があって、まともに出来るようになるには数年間かかったけど……


料理もダダンさん達に任せっきりしたら動物の肉料理ばっかりで、私が体調を崩していたのを糧に野菜を摂取する大切さ、栄養重視と下処理を終えて調理するよう説得して……。生臭さと雑菌が多い動物の肉の正しい処理や、自然を活かした山菜、川や海で採れる魚介類も料理に加えるようになった。全てはエースの為だけでなく、お世話になってるダダンさん達にも健康でいてもらう為に……。掃除や換気も徹底してるし、前世を思い出してからは家事に力を入れました!


そんなちょっとした生活の工夫のお陰だろうか、あの子は赤ん坊の頃から本当に元気で頑丈で。離乳食、ハイハイ、掴まり立ち、おしゃべり、二足歩行、かけっこも順調に出来ていき、8歳頃からは動物狩りも始めたけれど大きな病気も怪我を負うのも殆どない。と言うのも、時々ガープおじいちゃんが来ては私達を鍛錬しようとめちゃくちゃ扱きまくるのだ……。おかげでその度、戦闘スキルは上昇するけどエースがボロボロになってとっても痛々しい……


だからあの子は毎日鉄パイプ片手に野山を駆け回り、自分より何倍も大きな獣ぐらいなら真正面から叩きのめして帰って来れる程には強い。もちろん全く無傷でいられる時ばっかりじゃないので、獲物とパイプを持って体中に怪我して帰って来たらと思うと気が気じゃ無いけどね……。ぜひとも鍛えまくって誰にも負けない強い男になってほしい、将来どれだけ成長するのか楽しみだ……


そしてエースが物心ついて、色々理解出来るようになった歳、いよいよおじいちゃんが私達姉弟の出生の秘密を打ち明けた。元から私以外には非常に警戒心も強いし、口調も行動も荒っぽい子だけど心を開いた相手には素直で優しい子……。だから犯罪者だった父さんの正体と処刑、母さんの最期、妊娠中の政府の行動、私達に対する世間の侮蔑……


それらの事実を初めて語られ、知らされたエースは自分の運命への絶望感、父への憤りを抱えるようになった───
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