第11章 グリーンビット
ドレスローザが見えてくるとシオンはゴクリと唾を飲み込んだ。
シオンの中で緊張感が漂う。
このドレスローザにて、命を落としてでもドフラミンゴを討つと決めていたからだ。
(絶対に、ドフラミンゴを…)
周りにはトレーボルやピーカ達がいることも分かっている。慌てて近づくのではなく気を窺うしかない。
慌ててはいけない。
と、同時にかつて共にしたあのころのガキということも悟られてはいけない。
そう自分に言い聞かせていた。
怖くないと言えば嘘になる。
武者震いというより、ただ体が震える。
緊張から嫌な汗が背中を伝った。
ドレスローザに到着すると政府の秘密組織(?)
CP0が国民の怒りを宥めていた。
「誤報」
その言葉で収められていた。
「イッショウさん?誤報とはどういうことですか?」
「……さてね。ちょいと、ゆっくり考えをまとめさせてもらえやせんかい?」
カランコロンと下駄を鳴らしながらイッショウはどこかのお店へ入っていく。
シオンは辺りを見回した。
「それにしても…」
人間に混ざって、ぬいぐるみやロボットが楽しく過ごしている奇妙な光景にシオンは困惑した。