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呪術廻戦 〜生きた証 後編 〜

第5章 ただいま。



現場は都内でも指折りの進学校。
任務でなければ私には無縁の場所だ。

この高校で夕方17時頃になるとどこからか呻き声が聞こえる、との事。

資料によると、当時体育館で部活中だったバスケ部員数人がその呻き声を聞き、その後まるで何かに取り憑かれたかのように暴れ出し、多数の怪我人が出たらしい。



帳が降り、広い敷地へと足を踏み入れる。



「ーーー今、16時50分です。」


前を歩く恵君がスマホで時間を確認し、ポケットへとしまう。


『あと10分…どうする?これだけ広い敷地だし、二手に別れる?』


「・・そうしたいとこですけど…さんを1人にするな、と言われてるんで。」


そう肩越しに話すと、再び前を向き歩き出す恵君。


『・・そっか、ごめんね…』

「いえ…。校舎の方は玉犬に探索させてとりあえず俺らは体育館の方、行きましょう。」


『うん…分かった。』


恵君は玉犬を召喚させると頭をひと撫でし、校舎内の探索へと向かわせた。


ーー何というか…恵君、すごく頼もしいな…。
1年生とはいえ、私とは任務にあたってきた場数や経験値が違う。

私はせめて足を引っ張らないように気をつけなきゃ…。



そんな事を思っていると、目の前に体育館らしき建物が見えてきた。


『わぁ、すごい…体育館が2つ?』

「いや、1つは武道場です。この学校は部活動も盛んみたいっすね。」

『へぇ、、武道場…』


和風な造りの建物が厳格な趣を醸し出していて、思わず立ち止まって見ていると、


「ーーもうすぐ17時になります。急ぎましょう。」

『あ、そうだね…』




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