第8章 近親相姦シリーズ 宮兄弟の場合
誰にも言われへん秘密。
絶対に知られたらあかん秘密。
その秘密を抱えて、今日も生きていく。
近親相姦
宮兄弟の場合
うちには自慢の兄が二人おる。一卵性双生児の双子の兄。男子高校バレー業界では、最強ツインズ、の名で呼ばれ有名人や。
試合には二人のファンである女の子が来る位の人気っぷり。
妹であるうちが見ても、兄二人の顔はほんま整うとって、間違いなくのイケメンや。
スポーツマンでイケメンで双子。それだけで昔から周りから羨ましい言われる事が多かったし、うち自身も兄二人は誇れる自慢の兄であった。
ただ、一つの事を除いて。
「俺の方が凄いに決まってる」
「ええや、俺の方」
バチバチと火花を飛ばし合う兄二人の間にうちはいて、挟まれてる状態であった。
普段はそれなりに仲がええ二人なのだけど、なんか合うた時に互いに競う癖があった。
「なぁ !? 俺の方が凄いよな!」
「いや、何処からどう見ても俺の方やんな?」
「……ツム兄、サム兄…………二人とも近いで、狭いで」
うちの訴えにやっと二人は火花を散らす程に至近距離におって、その間にうちを挟んでる事に気が付いてくれた。
そっとサム兄の方が一歩引いてくれ、体格のええ二人からやっと解放される、と溜飲を漏らしてまう。
そう、二人はなんかある度に、ジャッジをなんでかうちに求めてくるん。
そら多分妹言う立場である事と、二人にとって一番身近な存在であり、また片方にだけ贔屓をせえへん事を知ってるさかいや思う。
(……そやかて、こないにも毎回巻き込まれるのはなぁ…………)
そろそろ今回は何競い合うてるのか確かめようとした瞬間、ツム兄が口を開いて言い出し
た。
「そんじゃあ今から判断してもらおうで?」
「…………ん?」
解放されるとばっかり思うとったうちは、ツム兄の事を見上げた。今何て言うたのやろうか、と。
今から?判断?もしかせーへんでも、またうちがジャッジする為に付き合わなあかんのやろうか?
「そうやな、それがええ」
「サム兄 !? 」
ツム兄は兎も角、サム兄まで乗るなんて一体何が二人をここまでしてるんやろう、と思てるとツム兄がいきなりうちの事を後ろから抱きしめてきた。
「ツム兄 !? 」
「ほな、始めよか。だーいじょうぶ、めっちゃ好きな兄ちゃん達やから」