第14章 再会
「神坂さん次第ですが、どうですか?」
「一応検討してみます」
そう返事した後、オーナーからはちょこちょこ連絡が来るようになった。外で一緒に食事をする機会が増えた。
これは多分デートというのだろう。私の休みの日に合わせて買い物や映画に誘われ、一緒に時間を過ごす。
それが楽しいかと言われるとよくわからない。たった一度きりしかしていない五条先生との渋谷デートを思い出して比べてしまっている。
何度目かのお誘いの後、お付き合いしませんかと言われた。手の甲にキスを落とされて、こんなことする人いるんだなんて、少し古めかしい感じがしたけれど、上流階級社会では普通のことなのかもしれない。
そのとき、たまたま前髪の隙間からキズらしき跡が見えた。
「なにか大きな怪我でもされたんですか?」
「ああ、これは……生まれながらで」
ささっと前髪でそれを隠す。横一文字に抜糸前のような傷。どこかで見たような……。
オーナーはあまり触れられたくなさそうだ。