第6章 デートの練習
何だか少し悲しくなってそのまましょげ込んでいると、私のこのお通夜みたいな反応が予想外だったのか、いつになく私を気遣った様子で「ごめん、そんな顔させるつもりじゃなかったんだけど」って彼は謝った。
「んじゃさ、千愛はデートの練習ね」
「え?」
「僕と渋谷でデートの練習。そのついでって事で、獄門疆に関連しそうなとこ寄ってもらうよ」
「ちょっと、待って。デートって……そんな」
「僕にまーかせなさい。千愛は何も考えずに付いて来ればいい。楽しませてあげる」
「いや、でも……その」
「なに、僕が相手じゃ不満?」
「そうじゃないけど」
次々と話が進んで、病気の事はすっかり言いそびれてしまった。