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【鬼滅の刃】屋烏之愛【新装版】

第11章 進物 中編【冨岡義勇】





「あっ…、でも今はもうそんな顔見ないです。会うたびに笑ってくれる回数も増えたし、穏やかな優しい目をしてくれます!やっぱり、義勇さんは強いですね!」

自分なんかが心配しなくても、義勇は自分の力で克服したのだと、陽華が嬉しそうに微笑むと、義勇は静かに首を振った。

「それは…違う。」

義勇の身体がゆっくりと陽華に近づく。

見つめる瞳がふわっと優しくなると、義勇の指先が陽華を求めるように伸ばされ、その柔らかな頬に触れた。

「俺が変わった、もし…そう見えるなら…それは……、」

なんでこんな行動に出たのか、自分でもわからない。ただ愛しく思う気持ちが溢れ出して、言う事を聞かない。

「お前のおかげだ…、陽華、」

「私?」

「あぁ。お前が俺のそばで、ずっと……、」

笑っていてくれたから…、お前という光が、闇の底にいた俺を照らして導いてくれたから、俺は今ここにいられる。

「陽華…、俺は……、」

義勇の優しい瞳がジッと陽華を捕らえ、触れた指先が、慈しむように頰を辿っていく。

「ふぇっ!?ぎ、義勇さん!?」

焦った陽華の素っ頓狂な声に、義勇の意識が一瞬で戻される。

「あっ、…す、すまないっ!」

義勇が慌てて離れると、陽華は顔を真っ赤にして俯いた。

(び、びっくりしたっ!だって、今の義勇さん、本当に優しい目してて、…か、かっこよかったからっ!)

熱が義勇に触れられた所から広がり、顔が熱い。これ以上広がらないよう両手で頬を抑えながら、落ち着くよう浅く呼吸繰り返す。



(俺を今、一体何を言おうと…した?)

義勇も動揺してしまった心を落ち着けると、なるべくいつもの表情を意識しながら、陽華を見る。







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