第4章 おはぎを食いにー実弥sideー
ー1年前ー
危うく、戦闘後の瓦礫の下敷きになりかけていた新人の隠しを助けた。咄嗟に抱きかかえた時に見えた頬の薄っすらとした傷跡…。
それを見た時、知らねェ奴のはずなのになぜか俺の胸は疼いた。
その後、他の隠しが来て礼を言われたが耳に入っちゃいなかった。
だか、俺がソイツ事を気にしていなきゃ聞き取れなかったくらい小さな声で、
「不死川サン、ありがとう…」
と呟いたのが聞こえた時、俺は、数年前に鬼から助けた娘だって思い出したんだ。
(確かアイツの名前、“花耶”とかいったか…)